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国際政治経済学

この講義の受講登録は招待制です

講義の概要

本講義は、国際政治学・国際経済学の複合的な視座から国際社会の問題に、理論・歴史・政策の三つの側面からアプローチすることで、現代社会を多角的に見る方法を学びます。

現代の国際社会は、政治や経済などの多様な要因が複雑にからみ合い、ますますその不安定さを増し続けています。特にポスト冷戦期以降は、国際政治経済の分野に関する諸課題について分かりやすい構図で捉え、説明することが極めて困難となっています。

本講義では、この不安定な国際社会を読み解くために必要となる基本的概念や理論について学びます。特に、リアリズム、リベラリズム、アイデンティティの三つの視点から検討します。ネオリアリズム・ネオリベラリズムは、国際公共財理論に基づいて覇権安定と国際レジームの安定化を正当化しています。アイデンティティ視点としては、アイデア、規範、ルールが国際関係において重要な役割を果たすとするコンストラクティビズムと、多くのアクターから構成されたアナーキーな社会を提示するイングリッシュ・スクールについての考え方を扱います。

さらに、世界各地で実際に起きた紛争や気候問題、経済対策等の国際政治経済に関するケーススタディを通じて、これらの知見を使って分析・評価する視点を身につけます。

履修条件

本講義では、大学受験の「世界史」「倫理政経」を履修していることが望ましい。

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第1週 コースの紹介

  • イントロダクション
  • 各週の内容とケーススタディ
  • 国際関係論の三つの伝統
  • ウェストファリアの「神話」と「解釈」
  • 「歴史の終焉」論対「文明の衝突」論-現代の世界をどうみるか-
  • 時期区分とコースの構成

 第2週 リアリズム

  • リアリズムの先達者-トゥキディディスとマキャベリ-
  • ホッブスとウェストファリア体制・ウィーン体制
  • 二次大戦期のリアリスト- H. カーとモーゲンソー -
  • 冷戦期のリアリスト-ケナンとキッシンジャー -
  • ケーススタディ-ウクライナ問題-

 第3週 リベラリズム

  • カント『永遠平和のために』
  • 両大戦間期ウィルソン主義リベラリズム
  • デモクラティック・ピース・セオリー(民主的平和論)
  • アイケンベリーとリベラル大戦略
  • ネオ・コンサバティブ(ネオコン)
  • ケーススタディ-BREXIT(イギリスEU離脱)-

 第4週 ネオリアリズム

  • 防御的リアリズム(ウォルツ)
  • 攻撃的リアリズム(ミアシャイマー)
  • 覇権理論
  • 覇権安定論(キンドルバーガー)と覇権衰退論(ギルピン)
  • ケーススタディ-南シナ海問題-

 第5週 ネオリベラリズム

  • 相互依存論
  • 国際レジーム論
  • 公共財と集合行動
  • グローバル・ガバナンス論
  • ケーススタディ-気候変動問題-

 第6週 コンストラクティビズム

  • 冷戦終結とネオリアリズム・ネオリベラリズムへの懐疑
  • アレクサンダー・ウェント
  • ラギー「埋め込まれた自由主義」
  • 人道的介入
  • リアリズム・ネオリベラリズムとの対比
  • ケーススタディ-アパルトヘイトと経済制裁-

第7週 イングリッシュ・スクール

  • ワイトの3R
  • ブル『国際社会論』
  • ジャスト・ウォー・セオリー(正戦論)
  • 人道的介入
  • 総括1:ウェストファリア神話の脱構築
  • 総括2:冷戦終結神話の脱構築
  • ケーススタディ-人道的介入-

講師

Course Staff Image #1

坂出 健 准教授(経済学研究科)

博士(経済学)